稲田石の採掘現場の様子。熟練の職人が採掘を行っています

ホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。採掘元である茨城県より、稲田石のお墓や石材を、オーダー制作にて全国の石材店様へお届けしております、株式会社堀石材工業の堀です。今回は、稲田石の採掘現場の様子をご紹介いたします。

 

採掘した稲田石の原石です。奥にいる職人と比較してもお分かりいただけるように、奥行き10m以上の大きさがあります。この大きさで採れるということも、稲田石の特徴のひとつです。今回は、この採掘の様子をご紹介します。

 

こちらは、火薬を詰める作業をしているところです。3mくらいの深さまで穴をあけ、その穴に火薬を詰めていきます。先ほどの写真で横に長い筋状に見えていたのがこの穴です。このくらいのサイズ、10mスパンでだいたい3,40ヵ所の穴をあけます。この日は午後からの作業でしたので日が陰っていますが、真夏はまともに日を浴びて下からの照り返しもあるので、過酷な暑さの中の作業です。

 

【動画① 発破】

※少し大きな音が鳴りますので、ご注意ください。

火薬を詰めたあと発破します。動画①10秒あたりで大きな音がして、先ほど火薬を詰めた穴からこのようにきれいに割れます。アップになっている右の写真では、先ほど開けた穴の筋が見えています。

 

石を火薬ではがしたら、次は重機の登場です。ここからは、2台の重機を使ってはがした石を引き倒していきます。まずは作業場所を整えて・・・

 

【動画②】

先ほど発破でできた隙間にショベルを差し込み、息を合わせて同時に引き倒します。できるだけ石を傷つけないよう慎重な作業です。まさに職人技ですね!

 

引き倒した原石です。黒くなっているのは火薬の跡です。この段階で、大きな傷や帯、ムラなどがないか、職人の目で大体の確認をします。このあと工場に運び出せるよう、トラックに積める大きさまで割りますので、この段階でどういう風に割っていくか、石が無駄にならない取り方まで見極めていきます。一般の方が見ても分からないような傷も、熟練の職人であれば経験上、「こういう風に割れているときはここに傷がある」というように、見極めるポイントがあります。

 

こうした見極めを完全に任せられる職人は、当社に10数名いる職人の中でも2人ほどです。経験がとても重要な仕事と言えます。いま写真で石を見ているのはこれから経験を積んでいく若い職人です。工場も山も現場も全て実際に経験しておくことで、将来お客様にお話しする立場になったとき、正しい情報、実体験で得た知識をお伝えすることができます。

今回は、稲田石の採掘の様子をご紹介しました。お墓や建築など様々な場面で使用されている稲田石ですが、こうして製品となる稲田石は実はごく一部で、この石も、周りの部分は傷や錆があったりして製品としては使えないものでした。実は製品として使える良い部分は1割ほどで、残りの9割はこうした製品にはならない石なので、大変な苦労を経てやっと採れる一級品と言える良い石は本当に貴重で、私どもも心待ちにしています。これからも全国に素晴らしい稲田石をお届けするため、スタッフ一丸となって日々採掘を進めて参ります。