新潟県産草水石の蓮華加工のようす。高度な技術を駆使した役物加工
ホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。採掘元である茨城県より、稲田石のお墓や石材を、オーダー制作にて全国の石材店様へお届けしております、株式会社堀石材工業の堀です。
今回は、新潟県産草水(くそうず)石の蓮華加工のようすをお届けします!
【新潟県産草水(くそうず)石 蓮華加工】
新潟県の石材店様からのご依頼で、蓮華加工をお任せいただきました。今回加工するのは、新潟県産の草水(くそうず)石という石で、美しい桜色から桜御影石の名でも知られてきた石です。地元では古くから墓石や石垣などにも使用されていたそうですが、現在は採掘はされておらず、在庫がある分しか出回らない貴重で高価な石です。ご依頼をいただいた新潟県の石材店様の在庫をお預かりして、加工の難易度が高い蓮華部分の加工のみをお任せいただきました。
送っていただいた四角い原石から、蓮華を切り出しています。もともとは、こういった蓮華などの部分的な加工、役物加工のご依頼も多数いただいていました。一番多かった当時は、月に2,3件は加工をして納品していました。最近では少なくはなりましたが、40年以上のキャリアのあるベテランが、高い技術を駆使して加工を行っています。
蓮華の葉の部分を成型しています。微妙なふくらみやへこみなど、凹凸をきれいに形作りながら表現します。細かい作業が続き、原石からこの成型だけでも3,4日かかります。
3,4日かけて成型が終わると、手磨きの職人にバトンタッチして、磨きに入ります。赤いものは、私どもで「ベニ」と呼んでいる塗料です。これがきれいになくなればきちんと砥石が当たっていることが分かる目安となるものです。
左手の指の間に挟んだ細いホースから少しずつ水をかけながら、砥石を当てていきます。水を使用しますので寒い季節は手が冷えて大変ですが、手袋をしてしまうと細かい操作がしづらいので、どんな季節も手袋なしで作業しています。
完成しました!
磨きの作業には2,3日、合計で1週間ほどの期間を要しました。天面の中央は棹石が乗る部分なので、密着が良いようにあえて磨かずに仕上げています。今回加工させていただいた草水石は、落ち着いた深い色合いで、お墓として完成すると味わいがあり、趣のある仕上がりになります。加工をしていても、石も硬くツヤのりも良い、質の良さを感じる石でした。
完成したものは、他にもご注文をいただいた稲田石の原石等と一緒にトラックで配達させていただきます。このたびはご用命ありがとうございました。
当社では今回のように、茨城県内だけでなく、東日本の石材店様から頂いたオーダーに従って、加工のお仕事もさせていただいています。こうしたお仕事を長くいただいてきたからこそ、経験を積んで高度な技術を習得し、それを絶やすことなく受け継いでいけているとも言えます。今後も確かな技術と品質で、たくさんの方に喜んでいただけるよう努めて参ります。